tanto tempo 4匹の猫との暮らし

 日々の猫、ときどき旅とご飯の記録。

父を偲ぶ

先日までの暑さが嘘のようにすっかり涼しくなりましたね。
うるさいくらいだった蝉の音に替わって、耳に優しい虫の音。
去年から秋の虫の音を聴くと父を思い出すようになりました。

父のことを思い出す時、真っ先に頭に浮かぶエピソードがあります。
それは母から聞いた話で
私はその場にいなかったけれど、
まるで目の前で見たようにくっきり頭に浮かぶ光景。


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小さい時、私は身体が弱い子でした。
小さ過ぎてほとんど記憶は無いのだけれど
2歳になったばかりの春、隣町の病院に1ヵ月ほど入院したことがあります。

小児結核と診断され、治療を受けていたけれど病状は悪化するばかり。
そしてある日、担当医に呼ばれた両親は、
「覚悟してください」と、私の命が消えかかっていると伝えられました。
その時父は、医師に掴みかかるほどの勢いで、
「娘を殺す気か! 何とかしてくれ!」と詰め寄ったと言います。

そして母は母親としての経験から、
上の二人の子供の肺炎の時の症状に似ていると
医師に肺炎の治療を哀願したそうです。

その後、肺炎治療に切り替えた結果、
私は見る見る回復し、無事に退院することが出来たわけですが
長い間寝たきりだった小さな脚に、立ち上がる筋力はなく
しばらくはまた、赤ちゃんのように床を這っていたらしい。
両親は同じ年頃の子供が元気に駆け回る姿を見て、
私が不憫で仕方なかったようです。


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その後も無駄に打ちすぎた抗生物質のため
歯茎が紫色だったり、歯の色が悪く脆かったりしたので
しばらくは安心出来なかったことでしょう。

そんな理由もあって両親は私に甘かったように思います。
特に父は、母がどんなに反対するような事柄でも
「お前がよくよく考えて決めた事なら」と
いつも必ず味方になってくれました。


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高校を卒業し、デザイン学校に進むため故郷を離れる日の朝、
普段歌など歌わない父が庭にホースで水を撒きながら、
即興なのか、古い昔の歌なのか遠くを見つめながら歌っていました。

僕の気持ちを知りながら
あの娘は出て行く・・・

確かそんな歌詞。
どうしても忘れられない父の横顔は淋しそうでした。


上の写真は3歳か4歳くらいの私。
写真を撮りたいとモデルを頼まれ、
近所の駄菓子屋で何でも好きなお菓子を買ってくれると言う言葉につられ、
父とバイクに乗って海まで。
わざわざ場所を変えて撮った写真が数枚残っています。

愛しいプーコ達の写真をたくさん撮るようになってやっと、
何故この写真が好きだったかが分かりました。
40年以上も前に切り取られたこの小さな空間には
カメラを構えた父の優しい眼差しも一緒に焼き付いています。

お父さん、ありがとう。


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Comment

2013.09.29 Sun 08:56  

故人を思う時、その人の魂は傍に寄り添っているといいます。
…故人…と呼ぶにはまだまだ鮮やかな記憶の中で
哀しみが呼び起こされる最中かも知れませんね…。

愛猫達の写真を撮りながら、
優しいお父様の眼差しを重ねられるとき、
時間も、場所も飛び越えて
お父様も見守りに来ているのだと思います。


大切な思い出を言葉にして、書き綴るのは切ないけれど
言葉にすると何かが変わる気が(私は)します。

空の上まで
きっと思いは届きますね…。

2013.09.29 Sun 11:29  

大変な思いをなさったんですね。。。

こうして、亡くなったお父様を偲ばれて・・・きっと喜んでくださってるでしょうね。

とっても素敵な写真ですね^^

2013.09.30 Mon 23:08  

私も 父っ子
なんだか泣けちゃった
自分が幸せでないと感じる時があると
こんな思いをさせるために 父母が身を削って育てたんじゃないって
不幸なんかじゃない 明日は楽しい事がある!
そんな風に思って 過ごす時があります。

conaさんが 毎日元気で楽しく過ごす事が
一番の親孝行ですね。
その歌は 違ってるかもしれないけど
僕は泣いちっち ・・・って守屋浩の歌じゃないかな
東京に行く恋人を 送る歌かなぁ
お父さんにとって conaさんは 恋人だったんですよね。
ああ いかん また泣きそうです。

可愛い写真 お会いした時のconaさんの 面影があって 素敵です!
  • #X5MGP6uo
  • ふ~まま
  • URL
  • Edit

2013.10.03 Thu 01:40  管理人のみ閲覧できます

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2013.10.04 Fri 21:00  管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2013.10.07 Mon 02:15  

風人さん

素敵なコメントありがとうございます。
決して優しいばかりの父ではありませんでしたが
今思い出すのは何故か楽しかったことばかり。
とても動物好きの人だったので
私の動物好きは、たぶん父譲りだと思います。

おっしゃるように、何でも一度文章にすると
自分の中で浄化出来ると言うか・・・
また、自分でも気付かなかった発見もありますよね。
忘れないためにも、
これからも時々、父の思い出が登場するかも知れません。


milmilk♪さん

ありがとうございます。
いえいえ、大変な思いをしたのは両親で
私はほとんど記憶はないのですが
こう言う風に思い出せるのは幸せなことですよね(笑)
好きな写真なので、褒めて頂いて素直に嬉しいです。
どうもありがとうございました。


ふ~ままさん

ふ〜ままさん、父っ子だったんですね。
きっと優しい素敵なお父様だったんでしょうね。

ふ〜ままさんのおっしゃることよく分かります。
私も辛く、苦しくて、人生が嫌になった時は
家族や友達など、私のことを好きだと言ってくれる人を想い
彼らに恥ずかしくないように頑張ろうと
心を奮い立たせて来ました。
だから本当に、私が幸せに毎日笑って暮らすことが
両親への一番の親孝行だと思っています。

守屋浩の「僕はないちっち」YouTubuで聴きました。
歌詞はちょっと違うかも知れないけれど
メロディーは確かにこんな感じ。
この曲をアレンジして歌っていたような気がします。
教えてくださってありがとうございます。
恋人ってちょっと恥ずかしいですね(照)
でも、父にとってはきっと、いつもでもこの写真の頃のように
可愛い子供に見えていたんでしょうね。
面影残ってますか(笑)


鍵コメさん

コメントありがとうございます。
置いて逝かれることはとても辛いけれど
何故か逝ってしまった人の思い出は
時間とともに美しい記憶に変わって行くようです。
時々思い出して、語りかけるうちに
更に故人との関係は清められて行くのかも知れませんね。







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Puko プーコ ♀
1996年9月10日生まれ(推定)
生後2ヶ月頃、傷だらけで知人宅の庭先に現れたため保護され、
その日のうちに何故か我が家に。
人見知りだったが、今では
抱っこ大好きの甘えん坊さん。


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Ginga ギンガ ♂
1998年6月10日生まれ(推定)
2011年4月10日
(12歳10ヵ月)空に還る。
初めてミルクから育て
私の腕の中で旅立った
我が家の初代王子。


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Perla ペルラ ♀
2008年7月16日生まれ(推定)
生後2週間程度で、
人も入れないビルの隙間で
鳴いている所を近所の方が発見。 たまたまそこに通りかかり、
一緒にレスキュー隊を呼んだ事が縁で我が家の一員に。
まだまだ遊び盛りの、
マイペースなお嬢猫。


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Monaca モナカ ♀
2010年8月20日生まれ(推定)
生後2ヶ月くらいで
近所の駐車場にて発見し保護。
3ニャンと
仲良くなれそうなので、
そのまま我が家のコに。
野良ちゃんだったせいで、
未だに怖がりさん。
早く馴れてくれないかなぁ~。

Cumin クミン ♂
2013年3月26日生まれ
麻布十番の譲度会で出逢う。
埼玉のWell Cat Home
タンタンよりやって来た
ギンガ以来の我が家の王子。
ただいまスクスク成長中♪

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